キトサン化CNF
カニ殻に含まれる極細の繊維状物質に高い発毛効果があることが、鳥取大などの研究で分かりました。マウスの背中やヒトの毛根にある毛乳頭細胞を使った実験では医薬品成分「ミノキシジル」よりも効果がありました。カニ殻を分解して得られるキチンナノファイバー(CNF)の性質を改変した「キトサン化CNF」を剃ったマウスの背中に塗り、他のさまざまな素材と発毛効果を比較したところ、毛の長さ、毛の面積率、成長期の毛根数で、キトサン化CNFが発毛剤リアップ(大正製薬)の有効成分として知られるミノキシジルを上回りました。またヒトの正常毛乳頭細胞を用いて同様に比較したところ、血管新生量、毛母細胞の活性化量、毛乳頭細胞の増殖性でキトサン化CNFがミノキシジルを上回りました。
発見のキッカケ
キチンやキトサンを含む既存の動物用医薬品を、犬や猫のけがの治療に使うと毛根まで再生されて毛が生えそろうことが知られていました。そこで、皮膚炎マウスの治療にキトサン化CNFを用いてみると毛がよく生えたことがキッカケとのことです。